広告「教育」で責任者がすべきことと広告研修4選

広告管理職がすべき10のこと
スポンサーリンク

広告部門責任者が「教育」ですべきこと・ヒントまとめ

1.学び続ける「仕組み」作り ナレッジを蓄積し、知識のアップデート、教授する

組織能力を高める一番の肝となる「仕組み」を部門内に構築し、維持・伝承することが責任者の大きな仕事になります。これによって、部員が人的に成長することによって、組織の持続的成長を期待することができます。
ここでは2つの「学ぶ仕組み」を紹介します。

スタンダートな教育システム

単純に、教材を作り、新入りには勉強期間、そして定期的なテスト。
OJTでは、教材を引用して指導。
という教育システムがスタンダードです。

しかし、この教育システムの欠点は、「教材やテスト」をアップデートする仕事が待っています。けっこう面倒ですし、なかなか部下に任せられないところでもあります。
また、情報の正確さなども求められ、自分ひとりや教育部門が苦心して作っても、仕事の実際にそぐわなかったり、自分自身の知識レベルが教育水準の限界になりますので、歴任する責任者によってレベルのばらつきが生じていきます。何より「勉強」に、嫌悪感を持っていたりしますから……。

利点としては、強制力が一定量働きます。
スタンダードたるゆえんは、仕組み自体を責任者自身よく分かっているので、作り易いというところがあります。そのため、勉強が嫌でも、これまで叩き込まれた仕組みへの順応があるので、イヤでも向かいます。

自立したアカデミー方式

お勧めするのが、アカデミー方式です。

四半期や半期に一度、部員が自分の仕事を通じて学んだこと、知ったことを標準化した書式で提出と、発表を行います。
他の部員はその発表を聞き、質問や疑問、あるいはクリティカルな投げかけを自由に行います。そうして、発表内容について一定の客観性を保ちます。ちょうど、大学のゼミのようなもので、ピアレビューといいます。
発表した内容は、予め実務に準じたカテゴリーで体系化しておき、ファイリングしておきます。次回発表時には、これらの先行発表を踏まえて行うことがルールです。
なお、発表内容と質疑の程度について、予め指標化して賞与評価に反映させます。

アカデミー方式の利点は

利点① 責任者自身に専門知識がなくとも、マネジメントとロジカル・クリティカルシンキングによって対応が可能です。当然あればなお良いですが、勉強するのは担当者です。自分の知識をひけらかすのではなく、より高見から、彼らが自ら学べるよう、導いてあげて下さい。

利点② 担当者自身の実務に直結するので、わざわざ遠く関係ないことを勉強しなくてよいです。

利点③ 分からないことがあれば、自らきちんと調べて学ぶ、という習慣を風土化できます。また、ピアレビューにより、分からない事は担当者同士で共有しあう、という風土ができます。

利点④ 責任者がコンテンツを作る必要がありません。楽です。あくまで、場を作り、機会を作り、それを褒め評価する、ということに徹します。発表においては、自分もいち質疑者としてフラットに質問すればいいのです。自分が分からなければ、素直に驚き、賞賛すればいいだけ。

利点⑤ 思いもよらないシナジーを発揮する可能性を秘めます。担当者自身が、自立し自ら学ぼうとする熱量が最高潮に達すると、責任者の想像をはるかに上回るパフォーマンスの発揮が見られます。これはドラマチックで、感動します。

利点⑥ 経年で膨大なナレッジが蓄積されます。終わりはなく、常にアップデートされます。このナレッジは、組織の財産そのものとなり、大きな強みになります。

 

一方でデメリットもあります。
最たるデメリットは、成長スピードが比較的ゆるやかです。
詰め込み式ではなく、彼ら自身の力量に合わせるので、広告のベテランからすると歯がゆさは否めません。
2つめのデメリットは、仕掛けが難しい。いきなりやっても、ついてこれない人も多いと思います。テストほどの強制力がないので、できなくて、嫌がるかもしれません。