広告予算の作り方

広告管理職がすべき10のこと
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広告予算、宣伝予算、販促予算…広告するための予算に関する話題です。

1.広告予算策定

ひとくちに、広告予算の策定といっても、2つの角度があります。1つは、組織内で予算をどう獲得していくかという問題。2つめに、提案し獲得する予算をどう試算すればいいかという問題があります。

(1)予算の作り方

広告予算を作るときは、組織内部での合意形成プロセスに沿って、各方面との調整をしながら、広告戦略を立案或いは修正していきます。

①主体の違いによる戦略基準

自らの部門(営業部やCSR部、人材採用部)が広告する場合と、専門部門(広告宣伝部、コミュニケーション部、など)が行う場合と、考え方は全く違います。

②予算の持ち方

受益者負担の原則を厳格化すると、活動主体が広告予算を持ち実績を計上することになります。専門部門化することで、原則は変えず、予算策定権と実行権のみ専門部門が持つこともできます。

③予算の階層化

広告することが恒常化し、組織が複雑化することで予算も多層構造になる。
単発での広告出稿予算から、部門、支店、事業部、全社の予算、グループ会社を含めた予算と多層になる。伴って、意思決定も多層化していくため、組織全体の設計が問われてくる。

④予算の意味

運用に関連しますが、「予算」の意味を立てます。
戦略、目標、課題、条件、加えて、遂行する人員と予算を実行に移すためのスケジュール、意思決定の在処を定めます。
個別案件の「決裁」にも関連します。

⑤予算策定プロセス

組織であれば、年度末に向けて次年度の予算策定が行われると思います。基本的にはそれに乗っかりましょう。
ただし、期初から広告出稿しようとなると、逆算して内定を取り付けて先駆けする必要もあります。
そういう意味では、公式に「予算をつくるぞ」というアナウンスが来てからではたいてい遅い。3か月から準備と調整にあたっても決して遅くはない。というのも、各メディアが売り物にする広告枠も3か月には準備している。大きな広告枠ならもっと前からだ。

(2)予算の算出方法の3つのアプローチ

予算額の算出方法は大きくいうと3つあります。正確には、3つのアプローチから掛け合わせると言った方が適切かもしれない。

A:戦略実現アプローチ

そのままで、従うべき戦略に基づいていく。
主たる活動の戦略実現のため、不足となる部分や
課題となる部分を、広告が担うというもの。

B:対主活動経費分配アプローチ

戦略とは別に、費用のみで算出する。
営業・販売部門が主たる活動なら、売上や利益の分配率で決めるのがオーソドックス。つまり、営業や販売の実現のための必要経費としてカウントする。
人材獲得などが主たる活動なら、1人あたり獲得単価から経費割り当てをする。
CSR等経営課題解決なら、課題の元になる問題の大きさや影響、緊急性から予想される損失額を策定し、損失を回避するための施策毎に予算を割り当てたうちの一環としてカウントする。

C:広告目標アプローチ

よく知られる「目標と効果に対する必要な経費」である。基本的にはA+Bに対し、課題解決のため予想される広告費を提示する。
基本的にはBとCが相克関係にあるので、Aによって軽重を判断する。