「広告効果」のやり方③目標設定を阻害する8つのこと

広告効果
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広告効果を考える上で、広告目標が必要。
ということは→実務者がすべきこと、でまとめた通り、定めた目標によって、広告物が果たす効果は変わるし、測定方法も変わる、ということ。

むしろ、広告目標の設定に難しさがつきまとうため、広告効果が分からない状況になります。

では、広告目標の設定の難しさとはどういうことがあるか。
1つに、広告目標の多様さがあるため、どうしたらいいか手がかりさえ掴めない、というところがあるでしょう。この難しさには→様々な広告効果で、そのさわりについて述べています。

他にどのような難しさがあるか。
岡田米蔵氏は、広告目標明確化の障害として、8つケースを紹介しています。

①マーケティング目標との関係が明確でない
②広告目標が測定できる形で設定できない
③広告宣伝予算と無関係の広告目標
④広告に対する過大評価
⑤長期的、短期的目標の区別の不明確さ
⑥広告出稿量と広告目標との関係が不明確
⑦関係者の理解が得られない
⑧クリエイティブ目標との連動性がない
(岡田米蔵(1995年)「広告の実務虎の巻 広告マネジメント」 P.47-48)

この中でやっかいなのは①⑤で、“時間”という巨大な闇を抱えるため、なかなか納得感の高い合意に至れません。

“時間”の問題は根深く、厳密にしようとすると、因果、及び効果発動と累積効果というやっかいな問題にぶちあたります。普通の物の見方では、太刀打ちできません。立ち入らないようにしましょう(笑)

・因果問題……広告がどのように作用し目的に貢献するか。という設計図ですが、拡大し逆転させると「目的達成のために、何が因果として示せるか」という問題に発展する。風が吹けば桶屋が儲かる、バタフライエフェクト…いろいろありますが、関心と影響の範囲はとても限られています。

・効果発動の問題…広告目標が「いつ」相手に作用するのか、その結果広告目的が「いつ」果たされているか、という問題。コスト投資時点で対価は広告物でしかないが、その効果は対価を得た時点で得られるものではない。例えば、特売日を告知する広告なら、効果発動は特売日と単純に切ることもできるが、効果を拡大解釈し影響まで視野に入れてしまうと、他の日に来店する効果も重要だ、なんて言い出しかねない。

・累積効果の問題…行われた広告の効果が対象に累積するということ。刺激ー反応という物の見方では、こうした考えはあまりしません。むしろ、何度も繰り返すことで、効果が重複していくのでは?と考えたりします。一方で、「相互行為で効果が飽和していく」という物の見方なら、ワンショットでの広告で終わらず、しばらくの間広告活動をし続けることになる。後者の見方は、最近でのSNSで、段階的に”買う気”になっていくプロセスが近いかもしれません。

さしあたり、努力と工夫で、なんとかなりそうな障害をみていきましょう。

②目標の測定可能な状態
→定量的MBOの悪癖ですね。
定量化に拘らず、ともかく、目的と目標の一貫性に集中し、定性的でも構わないので、誰でもイメージができる状態を目指しましょう
→定性的でもいいので設定できたら、そこから分解していき、アンケートの質問で調査できるぐらいまで検討します。

③予算と無関係な目標
→予算化と組織効用の問題で、課題として認識していたことが、実は違ったというところ。
→組織効用が、広告目標とイコールの場合もあればそうでない場合もある。具体的には、組織効用としては広告効率の向上で、当該キャンペーンの課題がブランドイメージの強化ときた場合、視野が狭いと全体の整合性を欠くことなる。

④広告に対する過大評価
→「TVでバーンとやれば万事OK」みたいな幻想を抱える人が多いが、現実はしょっぱい。大風呂敷拡げて、後で困ったことにならないよう、事前に目標のシビア化が重要。

⑤長期と短期
→単純に言えば、短期目標と長期目標の切り分け。とかく「継続した広告が重要!」と言われますが、課題がクリアできれば問題ないわけです。
→いったいいつまで広告すればいいのか? という答えを自分自身持ってないとダメですが、目的に対し効果発動の問題と、累積効果の問題もある。

⑥広告出稿量と広告目標の関係
→理論上、何GRPで何%の認知、というモデルがあります。
→正解かどうか、自分自身で検証をしていき、自社・業界の場合のスタンダードを作らないとダメ。

⑦関係者の理解が得られない
→ここが大事です。

本当のメリットは直接体験することから理解が得られるはずである。スタートするきっかけは、画期的な新製品で、関係者に高い士気がみられる時はチャンスとみてよい。(岡田 同著、P.48)

→百聞は一見に如かず、「ああそういうことね」と合点、ハラオチしてもらうことが狙い。
→「状況の二側面」でも書きましたが、上手く行った大成功というときこそ、明示しましょう。皆、自分たちの成功を噛みしめて意味付けすることができます。失敗や苦しいときは、巻き込まれたくないので誰も聞きません。

⑧クリエイティブ目標との連動性
→目標を「認知」みたいなザックリしたものにしたとき、広告物の内容をどう作ればいいでしょう?
→「周知」としても同じ、媒体で露出することだけに関心が寄りすぎると、肝心な“何を伝えることで、どんな心境変化を期待するか”というコミュニケーションの目標が立てられなくなります。

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