広告するときの裏技

広告するときの「状況の土台4象限」と求められる状態

広告実務者の裏技を紹介するブログ。
組織人としての処方箋かもしれませんが、広告する目的と初めの一歩を決める「状況の土台」を確認しましょう

組織の中で「広告する」ことが仕事として発生するときってどんな状況ですか?

「上司に言われてポスター作れって言われた」
「トマトが安く仕入れられたので告知したい」
「会議で新製品リリースが共有され、通常通り宣伝部でプロモーションをすることになった」
「なんか知らないが、社長がTVCMやるって」
「ライバルが出店してくるので迎撃したい」

いろんな状況がありますよね。
冷静に考えてみると、
2×2のフレームで前提的な状態を確認できます。
①動機
自らが行おうとする場合と、他がやりたいとする場合。
②環境
習慣的にそれができる体制が整っている環境に自分がいる場合と、そうではない環境にいる場合があります。

この状況把握により、最終的な目的地点と自分が踏み出すべき一歩が決まります。

広告するときの状況を把握するとき、まず2つの項目を確認しましょう。

1.動機の所在 「誰が」広告したいのか?

個人的にどうのは置いておきましょう。自分の組織における立場=所属部門で考えていくことで、自部署がやりたいのか、他部署がやりたいのかを見極めます。

(1)自部署がやりたい場合

マーケティングや営業部門、あるいは経営層なのか、組織の背骨=ライン部門にあたるところとして、自部門の活動を推進する上で何かしらの課題と目標を持っています。
或いはスタッフ部門かもしれませんが、人事部が雇用確保という目的のため、CSR推進部が活動促進という目的のため手段として広告を選んだのですね。
何かしらの課題解決、目標達成のために方法の1つとして、広告することが決まった。あるいは、自ら決めた、という状況ですね。

(2)他部署がやりたい場合

自分が総務とか宣伝部、或いは広報部という部門で、ほかの部門にいる人の要請を受けて、専門的に対応しようとしているのですね。
自分が所属する部門の目的や指針がある一方で、今回要請を受けて対応にあたっている。彼らが抱える課題解決や目標達成はもちろん、彼らへの満足感を満たす必要がある訳ですね。

2.環境 いつも広告してるか、そうじゃないか

広告をすることになったが、すぐにできる状況があるでしょうか?
仕事の難易度が大きく違い、伴って結果に対する要請も違ってきます。

(1)習慣的にそれができる体制が整っている環境

ルーティンですね。
何度か行っているため、経験を持っていて、仕組みがあり、一定の合理的・効果的・満足を得られる状況にあります。
ルーティンとしてあるので、組織内の事例に沿ってスピーディに対応できそうですね。

(2)そうではない環境

イレギュラーですね。そもそも組織としてあまり広告したことがないのかもしれません。前例がないので、1つ1つ点検しながら対応していくより他ありません。

以上の簡単な見立てで、自分の状況が2×2のマトリクスで、どこに当てはまるかわかるかと思います。

 

動機の所在と環境の2軸で、広告するときの「状況の土台」を、4象限で簡単に整理することができます。
ポイントは仕事に対する要求が異なるというところです。

A:自部署かつルーティン

容易い仕事で、できて当然。
習慣化されていて“行うことがあたりまえ”になっている状況。広告する意義が共通認識され前提的に肯定されかつ自明であり、広告の効果を含め必須として組み込まれる。
問題は、組織活動を支える重要基盤でありかつ組織をむしばむ最大の癌になり得る。

B:自部署かつイレギュラー

難しい仕事であり、チャレンジを求める。
困難な課題、或いはルーティンを自省的に見てゼロベースで企画化から始めていく。課題が不明確で効果が出ずとも、未実行になっても結果は自部署に跳ね返るだけ。チャレンジ味溢れる仕事。
問題は、非専門的に実行していくため、実行されたときの管理面で甘さが生じやすい。

C:他部署かつルーティン

ミスが許されない仕事。
前例や仕組みが既にあり、専門として「上手くできて当然」という前提。ミスをしないということが、実務者個人の判断にバイアスをかける。
仕組みがあるため部門間の対立は生じず、若手の入門用の仕事になりがち。しかし、本来的にはルーティンの定期的な改訂が求めらるため、若手に任せっぱなしだと機関となる仕組みの問題発見が後手に回る。

D:他部署かつイレギュラー

高難度の仕事。組織的な着地=安定を求められる。
相手の求める結果と満足をゼロベースで構築する。
課題は得てして曖昧、場合によりバイアスがかかっているため、認識と価値観の違いから致命的な対立を生じやすい。
広告に関する知識+組織間調整を総動員して取り組むべき最大の仕事。
専門部門として最大の成果になり、最も面白い仕事。いわば、最大のピンチでありチャンスである。目標を描き、結果を示すことで、次につながる貴重な試金石となる。
実務者であれば自分の全力を出す機会であり、管理者であれば部下のキャスティングを始めとするリーダーシップとマネジメントを発揮する機会である。

 

広告する裏技で
広告するときの状況を整理してみました。

広告するという仕事が発生するとき
広告する土台となる状況は2×2の4象限」で整理できます。

1つは、できて当然の容易い仕事。
→手順通りできることが目標だが、これでいいのかと疑問をもつこと。
2つめに、チャレンジ味ある難しい仕事。
→失敗リスクと実行メリットのバランスを見定めることから、着地は仕組み化へ受け渡し。
3つめに、問題が埋没しやすい若手の仕事。
→早く間違いなくやることは当然、仕組みの常時改善が目標。
4つめに、ピンチとチャンス溢れる仕事。
→初動はヒアリングと客観的な分析の上で着地点を明確にイメージすること。

あなたの広告する仕事は、どの状態でスタートしていますか?
それによって、求められる状態と踏み出すべき一歩が大きくちがいますね。