広告するときの裏技

広告予算の作り方

広告実務者の裏技を紹介するブログ。

広告予算、宣伝予算、販促予算…と、今回は「予算」に関する広告するときの裏技です。

問題は予算額にフォーカスされるかと思いますが、「裏技」では、もっと踏み込んで、そもそも「予算を組織で作っていくというプロセス」を作るレベルからお伝えします。

というのも私自身、そういったプロセスを作った経験があるので、書き残したいと思っています。
小さな会社に就職し、たかが数十~百万レベルの広告費から始まり、会社が成長すると共に150憶を超える広告費まで扱いました。稟議も予算も何もなかった時から、その会社の広告宣伝の基盤を作った経験に基づき、紹介したいと思います、

広告関連予算について、いくつかの話題があるかと思います。

1.広告予算策定
・予算の作り方
・予算の算出方法の3アプローチ
2.広告予算運用
・予算の組織的意味
・予算の対外的意味
・下方、上方修正

時間軸で整理すると、広告予算を作るときと作ったあとで分けられます。

今回は、全体の枠組みを紹介し、特に注意したいポイントに触れたいと思います。
大抵の組織には「予算制度」として仕組みになっていたりします。そういったものがまだない組織や、自社組織の「予算制度」の見直しをする際に活用頂けるかと思います。

広告予算、宣伝予算、販促予算…広告するための予算に関する話題です。

1.広告予算策定

ひとくちに、広告予算の策定といっても、2つの角度があります。1つは、組織内で予算をどう獲得していくかという問題。2つめに、提案し獲得する予算をどう試算すればいいかという問題があります。

(1)予算の作り方

広告予算を作るときは、組織内部での合意形成プロセスに沿って、各方面との調整をしながら、広告戦略を立案或いは修正していきます。

①主体の違いによる戦略基準

自らの部門(営業部やCSR部、人材採用部)が広告する場合と、専門部門(広告宣伝部、コミュニケーション部、など)が行う場合と、考え方は全く違います。

②予算の持ち方

受益者負担の原則を厳格化すると、活動主体が広告予算を持ち実績を計上することになります。専門部門化することで、原則は変えず、予算策定権と実行権のみ専門部門が持つこともできます。

③予算の階層化

広告することが恒常化し、組織が複雑化することで予算も多層構造になる。
単発での広告出稿予算から、部門、支店、事業部、全社の予算、グループ会社を含めた予算と多層になる。伴って、意思決定も多層化していくため、組織全体の設計が問われてくる。

④予算の意味

運用に関連しますが、「予算」の意味を立てます。
戦略、目標、課題、条件、加えて、遂行する人員と予算を実行に移すためのスケジュール、意思決定の在処を定めます。
個別案件の「決裁」にも関連します。

⑤予算策定プロセス

組織であれば、年度末に向けて次年度の予算策定が行われると思います。基本的にはそれに乗っかりましょう。
ただし、期初から広告出稿しようとなると、逆算して内定を取り付けて先駆けする必要もあります。
そういう意味では、公式に「予算をつくるぞ」というアナウンスが来てからではたいてい遅い。3か月から準備と調整にあたっても決して遅くはない。というのも、各メディアが売り物にする広告枠も3か月には準備している。大きな広告枠ならもっと前からだ。

(2)予算の算出方法の3つのアプローチ

予算額の算出方法は大きくいうと3つあります。正確には、3つのアプローチから掛け合わせると言った方が適切かもしれない。

A:戦略実現アプローチ

そのままで、従うべき戦略に基づいていく。
主たる活動の戦略実現のため、不足となる部分や
課題となる部分を、広告が担うというもの。

B:対主活動経費分配アプローチ

戦略とは別に、費用のみで算出する。
営業・販売部門が主たる活動なら、売上や利益の分配率で決めるのがオーソドックス。つまり、営業や販売の実現のための必要経費としてカウントする。
人材獲得などが主たる活動なら、1人あたり獲得単価から経費割り当てをする。
CSR等経営課題解決なら、課題の元になる問題の大きさや影響、緊急性から予想される損失額を策定し、損失を回避するための施策毎に予算を割り当てたうちの一環としてカウントする。

C:広告目標アプローチ

よく知られる「目標と効果に対する必要な経費」である。基本的にはA+Bに対し、課題解決のため予想される広告費を提示する。
基本的にはBとCが相克関係にあるので、Aによって軽重を判断する。

2.広告予算運用

予算が獲得できたら、あるいは予算獲得に向けての助走段階として次の3つの仕事がある。

(1)予算の組織的意味

最近の組織論的にいえば「戦略実現」に向かう。
そのために、広告することに一定の価値と期待が込められ、その軍資金として預かったお金だ。

活かすも殺すも、あなた次第。
ぜひ「生きた金」にしてほしい。

これを生きた金にするために、実行予算のような形でさらに配分することもある。
期間で切るもよし、機能別に切るもよし。
市場は変化に富んでいるし、前線で競争にさらされる困難をいかに援護するかが腕の見せ所。

広告戦略を関連部門と共にどう描くか、経営課題をどう果たしていくか。長期の視野で地図を書き直し、短期での局面を見極め、采配を振るう。
個人的には軍師的なポジションだと思います。

(2)予算の対外的意味

予算がある、ということは前提的に一定量の広告することが合意されたことを示します。
平たく言うと、人手を割いて、費用も割いて、広告・宣伝・PR活動で貢献する、という約束をしたようなもの。

対外的にどこまで言うか、迷うところです。
先々まで言うことで手の内を公言しかねる一方で、長期的にパートナー関係を結ぶこともできる。

(3)下方、上方修正

獲得した予算は、運用していくことになりますが、単にお小遣い帳をつけて、予算内に収めました!じゃ最低限のことしかできていない。予算を運用する組織内部での意味と、対外的な意味を理解して進めていくことで、より効果的・効率的な判断ができるようになる。
一段上の立場で見ていくと、部門を横断的に眺めて予算の上方修正、下方修正を提言する仕事が待っている。

 

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広告予算、宣伝予算、販促予算…と、今回は「予算」に関する広告するときの裏技を紹介しました。

1.広告予算策定
・予算の作り方
・予算の算出方法の3アプローチ
2.広告予算運用
・予算の組織的意味
・予算の対外的意味
・下方、上方修正

テキストやセミナーなどで、「予算ありき」はダメな感じで言われたりしますが、外部の企業とのやりとりは「予算ありき」です。

広告実務者、特に組織の広告機能の趨勢を握る広告部門管理者が、一年のうちで最も燃えるのが、「広告予算獲得」という仕事です。なぜなら、一年間、戦略実現のために采配を振るい、その結果を総括し次への修正案を出す仕事の総決算にあたります。

 

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