広告するときの裏技

「広告効果」のやり方①本当は成功したときに広告効果を示す

広告実務者の裏技を紹介するブログ。

いよいよ「広告効果」のやり方に触れていこうかと思います。

すでに『広告の裏技リスト(担当編)』で触れました。

広告効果は
10 (市場の)反応確認
11 関係者の反応確認
の2ジャンルで抑えていきます。
広告効果の問題は2つの角度があり、1つは対広告物問題、もう1つは対人・対組織問題です。

組織において「広告効果」が求められる状況をまずは整理・解説しますが、一言でいうと、ヤバイ状況です。

しかし、「広告効果」を提示することで、組織に大きなメリットをもたらします。
このメリットは組織全体をまとめあげ、高め強めることができます。

広告効果を示すという仕事は、最大のピンチであり、最大のチャンス。あなた自身が、この問題に目を背けず、正面からがっつり取り組むことで、大きな成果を獲得できます。

広告といえば「広告効果」というぐらい、議論の中心といっても過言ではありません。

AIDA或いはAIDMAから始まるDAGMAR理論以降、広告目標を設定することの重要性が浸透し、一方で売上などROIへの目的貢献度と広告による純粋目標が峻別されてきました。

科学史においても、ベースとなるパラダイムの変化と共に、様々な広告効果に関する理論が発表されています。

しかし、実務者にとって本質的にやることは100年間変わっていません。そして、「広告効果」が問われる状況も大きく変わりません。

まずは、状況を解説しましょう。

広告効果が問われる状況

あなたが「広告効果」に対し、関心を持った背景はなんでしょうか。自らが、自省的に効果を確認し、より高めていこうとしているのか。それとも、誰かから批判的な質問を受けたからでしょうか。

広告が大成功したときに、広告効果を示すことで、 組織に成功パターンを定義づけ、組織を強くしていく。

渾身の広告なのか、あるいはレギュラーの広告なのか、組織としてカネを使い、自分を含め少なからず時間と労力を割いて放たれた広告。
うまくいっていたら、誰もその効果を疑いません。
実はこの時こそ、組織の中で“広告効果を定義づける”絶好の追い風なのですが、勝利に酔いしれその仕事を疎かにしがちです。

うまくいったときは、広告効果を測定する前に、社内外からポジティブな声が聞こえます。「あの広告見たよ、よかった」「反応いいよ」「すてき、わかりやすい」といった気持ちのいい声。売り場に足を運ぶと、顧客で賑わっていて自らの仕事がうまくいったことを実感できる。そうして、目的にしている業績や、活動も良好になり、広告クリエイティブに対しても好意的に評価する声があなたの耳に入ります。
そうした、実感ベースから成功を掴み、形にしていくことが「広告効果」の一番の仕事になります。

どのような背景、目的と目標設定、計画、プロセス、全ての記録をまとめ、組織内に公表していきます。
金銭的に余裕があれば、効果測定してもいいでしょう。組織内の実感が高ければ、そんなものなくてもいいですし、コスト意識が厳しい組織なら殊更に金をかけるのはやめておきましょう。

世に出たモノと一連のコトをつなぎあわせ、それを「うまくいった」という全員の成功体験で語ることができて、広告効果として組織の中に定義されます。
つまり「この広告(やり方)であればこういう効果(体験)を得られる」というモノとコトを価値観で括ることで、組織の中に広告での成功パターンが生まれます。
この成功パターンは、繰り返されることで効率化しルーティンとして、成功を量産するようになります。

広告効果がわからない=そもそもうまくいってない。

一方で、大半の広告は、そもそもうまくいってません。本来の目的である業績も上がらないし、活動に拍車がかかる訳でもありません。

ここで「広告効果」に白羽の矢が立つのですが、2つのアプローチがありますが、どっちも防衛的なアプローチです。ダメではありませんが、根本問題の解決には遠く、いずれも前提として“自分のやった広告は正しい”という認識に陥りがちです。

体感しえない小さな広告効果、広告効果として見ていない”影響”を探す。

→体感できないので、自分を含め組織の関係者が「それって意味あったの」と首をかしげる状態。どんな効果があったのか、可視化し立証しようと考えます。

小さすぎる効果、本来意図しない効果=影響は、組織の誰も関心がありません。
学術的には、広告効果が及んだ対象を証明する意味で意義あるのですが、まぁ、実務では、手掛かりや自分のアイデアストックに使えるものの、「効果を示せ」と言われた時には使っても、期待通りの反応は得られません。

目的と目標の貢献度を探す。

→広告目的が売上向上とし、広告目標が認知だとしましょう。
理屈上では、AIDMAを引くまでもなく、生活者の選択肢に乗せることで、商品選択の可能性を向上させる。こんな設計でやってみたものの、売上はピクリとも変わっていない。
しかし、広告目標が達成されたことを証明し、他の失敗要因が他にあると考える。まぁ、売上を構成する要素のうち広告がどの程度貢献しているか…という話。
関心はありますし、それを導く理論もありますが、それを提示したからといって、根本問題の解決にはなりません。徒労なので、このアプローチは実務的にはやめときましょう。

広告効果への追求=広告することへの疑義の目

問題は『目的が好転していない』ということ。
その原因が広告にあると疑義の目を向けられているという状況。
この状況を、まず冷静に受け止める必要がある。

たしかに、「金食い虫の広告がやり玉に挙げ易い」のだ。
なぜなら、趣味嗜好に走り易く華美なもの、そもそも好き嫌いがあり、合意形成のプロセスで強引にしていくと不満はここで破裂します。
さらに、かけた費用に対し得られるものが等しいとは思えないという効果の問題がここで噴出します。たかだか認知を得るために、何千万何億使っているんだ、こっちは爪の先に火を灯してるんだ。と、感情も混じってきます。
なぜなら、
広告の特性上、広告に対峙して人は冷静にいられないのだ。
これまで押さえていた感情が、うまくいかない事態をきっかけに噴出していく。

「広告効果がない」この売り言葉に買い言葉で「じゃあ広告効果を証明してやるよ」という流れは、あまり良くないですよね。
また、ちゃんと意思決定したじゃないですか、という結論を主張するのも的外れ。

皆、今回の結果と合意プロセスに不満をもっているのだ。
そうして、その責任を取るヤツがだれかを探している。

この最悪の事態をどう切り抜けるか。
そもそも、この最悪の事態を招いたのは、あなた自身なんですけれどね…。

 

広告するときの裏技で、広告効果のやり方(第一弾)を、まずは状況確認しました。

広告がうまくいっていないときに、広告効果が問題として取り上げられ「広告効果の測定」なんて慌てて検索しますが、本来的には逆です。

目的に向かって好調で、広告がうまくいった、大成功だ、というムードのときにこそ丁寧に広告効果を報告・発表していきます。そうすることで、組織の中に広告とは何かを定義し、その意味を伝え、今後の方向性を指し示すことができます。
そうして成功から、成功を量産し改善していく正のスパイラルを刻んでいきます。

目的が達成されず、広告がうまくいっていないときは大ピンチです。多くの批判、不満が、広告に向かって突き刺さってきます。そのとき、彼らはなぜ広告に対して不満をぶつけるのかをよく考えたい。
多くの場合、合意形成のプロセスに強引さや、議論の浅さが問題になっており、組織内での「不満」が蔓延している。

これらの仕事は、広告会社など外部のスタッフを起用してまる投げできる問題ではなく、自分自身の能力でどうにかしないといけない広告担当者の重要な仕事です。

 

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